グループを離れた後、彼女が世に問うた自伝・エッセイ『ありがとう、わたし 乃木坂46を卒業して、心理カウンセラーになるまで』は、多くの読者に鮮烈な印象を残した。単なる芸能界の裏側を晒す告白本ではなく、傷ついたひとりの人間が回復へと向かう道のりを冷静に分析した自己観察のドキュメントだったからだ。
著書のなかで綴られたのは、アイドル時代の栄光への未練ではなく、挫折を受け入れた先に見つけた新たな生きがいだった。カウンセリングを受ける立場から学ぶ立場へと足を踏み入れた瞬間の衝動、そして「自分と同じように声を出せずに苦しんでいる人の力になりたい」という静かな決意。この一作は、彼女がカウンセラーとしての第一歩を印した宣言状でもあった。