連載当時から完結に至るまで、二階堂浩平は単なる敵役の枠を超え、熱狂的なカルト的人気を博しました。SNSやコミュニティの反響を分析すると、「あまりに悲惨で直視できない」という同情論と、「ギャグと狂気のキレ味が凄まじすぎて目が離せない」という絶賛の声が二分することなく共存していたことが分かります。
この特異なキャラクター性を決定づけた大きな要因の一つが、テレビアニメ版で声優・杉田智和氏が見せた圧巻の演技力です。杉田氏は兄・浩平と弟・洋平の一人二役を担当。初期の小生意気な兵士の掛け合いから、弟を失った後の慟哭、そしてモルヒネに溺れながら虚空に向かって囁きかける怪異なトーンまで、声の質感を見事にコントロールしました。
アニメ関係者の証言や当時のキャストインタビューでも語られている通り、狂気の裏に潜む「子供のような無垢さと哀愁」を絶妙な塩梅で表現した杉田氏の怪演は、二階堂浩平という人物に唯一無二の立体感を与えました。読者や視聴者は、彼の常軌を逸した凶行に恐怖しながらも、どこかでその痛々しい孤独に胸を締め付けられるという複雑な感情を抱かされたのです。