リニューアル以降、現場ではどのような変化が起きているのでしょうか。SNS上の反響や地元住民への聞き取り調査から、リアルな利用実態が浮かび上がってきます。
長年通い続ける70代の女性客は次のように語ります。「一時は完全に無くなると思って絶望していましたが、デパ地下や友の会が残って本当に助かりました。成城石井が入ったことでちょっとしたお惣菜やパンの選択肢が増え、以前より買い物が楽しくなりました」。このように、古くからの百貨店ファンに対する安心感の提供は極めて高く評価されています。
一方で、30代のファミリー層からは「これまでは横須賀中央駅前で家電や消耗品を買う場所が限られていたが、コジマ×ビックカメラがさいか屋に入ったことでワンストップで用事が済むようになった」という声が多数聞かれます。伝統的な百貨店ブランドに対する敷居の高さを感じていた若い世代が、実用テナントをきっかけに館内へ足を踏み入れる好循環が生まれています。
ただし、課題が皆無というわけではありません。かつての全盛期を知る一部の利用者からは「高級婦人服ブランドや呉服・宝飾のフロアが大幅に縮小され、昔ながらの百貨店らしさが薄れた」という惜別の声も散見されます。しかし、事業存続と地域経済への貢献を天秤にかけた際、この「生活密着型ハイブリッド路線」こそが地方百貨店生き残りの現実解であったことは間違いありません。