なぜ「やりすぎ」と呼ばれる不自然な目元が生まれてしまうのか。解剖学的な観点から紐解くと、その根源は皮膚の切除量と組織の過剰な引っ張りに帰結する。日本人の多くにみられる蒙古ヒダを解除する目頭切開(蒙古ヒダ形成術)は、本来、目頭の丸みを自然に整え、平行二重の土台を作るための優れた手技だ。しかし、執刀医の技術不足や患者側の度重なる要望によって切り込みを深く入れすぎた場合、取り返しのつかない造形破壊が起きる。
最大の失敗パターンは、目頭の内側にある涙阜(ピンク肉)がむき出しになってしまう現象である。通常は隠れているはずの赤い粘膜が露出することで、目元全体が鋭利で攻撃的な印象に変わり、寄り目のような不自然さを醸し出す。さらに、切開線の縫合が不適切だと白く硬い瘢痕組織が残り、瞬きのたびに皮膚がひきつるトラブルも報告されている。美を追求するはずの手術が、かえって顔全体のバランスを損なう皮膚の歪みを生み出してしまう現実がある。