行政のデジタルシフトは、単なるツールの導入にとどまらない。経済産業省が主導するDX・リスキリング推進施策の真の狙いは、官僚自身の思考プロセスのアップデートにある。民間のIT事業者やリスキリング事業を手がける企業との垣根を低くし、最先端のデジタルツールを武器に政策を組み立てる文化の醸成が進む。
人材育成・リスキリング産業全体の活性化を目指す一方で、省内におけるデジタル人材の育成も急ピッチだ。ペーパーレスや業務自動化はもちろんのこと、ビッグデータを活用した需要予測や政策効果の定量的測定など、従来は外部委託に頼りがちだった分析作業を内製化する動きが広がっている。泥臭い調整作業に追われていた行政官が、よりクリエイティブな政策構想に時間を割くための基盤作りが、研修の現場から着実に始まっている。