そもそも、なぜ持ち運びサービスが誕生したのか。その背景には総務省による強力な競争促進政策が存在する。従来、通信大手はキャリアメールを顧客の引き留め策として利用してきた歴史がある。解約するとアドレスが消えるという障壁を崩し、健全な価格競争を生み出すために行政が是正を迫ったのだ。
IT・テクノロジーが加速度的に進化するなか、かつてソフトバンクを率いた孫正義氏らが繰り広げた激しい顧客獲得合戦も、現在では単なる回線契約から経済圏(ポイント・決済)の囲い込みへと軸足を移している。連絡手段の主役がLINEへシフトし、メールの主な用途が通知受信用や認証手段に限定されたことも、キャリアメールの存在感に変化をもたらしている。