柳宗悦が打ち立てた思想は、次世代のクリエイターたちにどのように受け継がれたのか。その最も象徴的な例が、長男であり日本のミッドセンチュリーデザインを牽引した柳宗理の存在である。
宗理は、父の思想を単に模倣するのではなく、インダストリアルデザインの世界へと見事に翻訳してみせた。有名な「バタフライスツール」や無駄を削ぎ落としたキッチンウェアは、手で模型を作りながらフォルムを探る手法から生まれた。父・宗悦が説いた「手仕事の直観」と「生活に寄り添う機能美」は、息子の手によって工業製品の中に息づき、世界中の人々の暮らしを支えている。