この事件がNHK総合テレビジョンおよびテレビ放送・音楽エンターテインメント産業に与えた影響は測り知れない。生放送におけるコンプライアンスチェックは劇的に厳格化された。衣装審査、リハーサルからの変更に対するペナルティ、生放送中の映像遅延装置の導入検討など、放送業界全体の安全志向が一気に加速した。
一方で、過剰な自粛ムードがテレビの「面白さ」や「ライブ感」を奪ってしまったという指摘も少なくない。リスクを極度に恐れるあまり、尖った演出や規格外のアーティストが出演しにくくなったという側面だ。音楽業界にとっても、テレビという最大のプロモーション媒体で冒険ができなくなった歴史的転換点として、あの夜の騒動は記憶されている。