「神の杖」が「究極の兵器」と称される最大の理由は、核兵器が抱える最大の弱点――残留放射能と外交的破滅――を克服できる点にある。核分裂や核融合を伴わないため、攻撃後の占領や復興において放射能被曝の懸念が一切存在しない。
さらに、国際法上のグレーゾーンも存在する。1967年に発効した宇宙条約(Outer Space Treaty)は、宇宙空間への「大量破壊兵器(核兵器や化学・細菌兵器)」の配置を明確に禁止している。しかし、単なる金属の棒である運動エネルギー弾が「大量破壊兵器」に該当するかどうかについては法的な解釈が分かれている。
この法的な間隙と放射能ゼロという特性は、有事における使用の心理的ハードルを著しく下げる可能性がある。軍事戦略家たちがこの兵器の潜在力に固執し続ける一因もここにある。