いま、社内で最も危険なポジションに立たされているのは誰なのか。最新の取材現場で見えてきたのは、かつて「安全地帯」とされた職種の急激な地盤沈下である。
第一に標的となるのが、自ら意思決定を行わず連絡調整のみを担う「中間管理職」だ。AIツールの導入により現場と経営陣がダイレクトに繋がった結果、報告書をまとめるためだけに存在する課長や部長の価値は激減した。第二に、総務・経理・人事などの「バックオフィス部門」の定型業務担当者である。RPAや自動化システムの精度向上に伴い、従来10人で行っていた業務がわずか1人で完結する事態が起きている。
表向きは「キャリア支援」や「多様な働き方の推進」という洗練された言葉で飾られるが、裏にあるのは「スキル不適合者の整理」という厳しい現実だ。企業は若手やデジタル高度人材の採用枠を確保するため、高給なミドル・シニア層の押し出しを淡々と進めている。解雇規制が厳しいとされる日本においても、希望退職という名の選別が加速度的に進行している。