満員のスタンドがどよめいた。打球が左中間を抜けた瞬間、ベンチから選手たちが一斉に飛び出す。甲子園の夜風が吹き抜ける中、試合終了を告げるサイレンが悲痛な余韻とともに響き渡った。
序盤から試合は想定外のハイスピードで進んだ。沖縄尚学の先発は、今大会屈指の最速152キロを誇るプロ注目右腕。対する横浜打線は、ノーステップ打法で立ち上がりの隙を容赦なく突く。初回に横浜が鮮やかな先制本塁打を放てば、三回裏には沖縄尚学がスクイズと巧みな走塁で逆転に成功。互いに一歩も引かない目まぐるしい展開に、スタンドの観客はグラウンドから片時も目を離せなかった。