作画や構成への批判が存在する一方で、本作を強力に牽引しているのがキャスト陣の圧倒的な演技力だ。主人公・佐村未祐を演じる小野賢章は、頼りなかった青年が犬と向き合う中で成長していく心の機微を実に見事に表現している。また、凄腕ドッグトレーナー・丹羽眞一郎役の高橋広樹は、厳しさと優しさを同居させた重厚な声色で作品の骨組みを支えている。
単なる「犬がかわいいアニメ」にとどまらず、プロフェッショナルとしてのドッグトレーナーの過酷な日常や苦悩を描いた「お仕事アニメ」として見れば、本作の完成度は決して低くない。声優陣の熱演によって、キャラクターたちの生き様が立体的に立ち上がっている。