「ではブルーライトは全く無害なのか」と言えば、答えは明確に「ノー」である。最大の問題は、光を浴びる「時間帯」と「脳への作用」に隠されている。睡眠医学の分野において、夜間のブルーライト照射が人体に及ぼす生理的ダメージは非常に深刻なテーマとして扱われている。
人間の脳内に存在する松果体は、暗くなると眠気を誘発するホルモンである「メラトニン」を分泌し、体内時計をスムーズに入眠モードへと切り替える。しかし、夜間に強いブルーライトが目に入ると、脳はそれを「まだ昼間だ」と誤認してしまう。その結果、メラトニン分泌が著しく抑制され、入眠障害や睡眠の質低下が引き起こされる。世界保健機関(WHO)も幼少期の過度なスクリーンタイム削減を強く警告しているが、質の悪い睡眠は単に翌日の眠気にとどまらず、脳の前頭前野の発達障害や情緒の不安定、学習意欲の低下に直結することが各種の疫学研究で実証されている。