妊娠高血圧症候群による母児への打撃を最小限に抑える鍵は、早期発見による重症化の阻止です。血圧の上昇は自覚症状がないまま静かに進行することが多いため、家庭での毎日の血圧測定が不可欠です。
特に以下の症状が現れた場合は、病態が急速に悪化しているサイン、あるいは常位胎盤早期剥離の兆候である可能性があるため、次の健診を待たずに直ちに産院へ連絡する必要があります。
【妊娠高血圧症候群 自覚症状チェックリスト】
- 急激な血圧上昇:家庭血圧で最高血圧140mmHg以上、または最低血圧90mmHg以上が連続して測定される
- 持続する頭痛:鎮痛薬が効かないズキズキとした激しい頭痛
- 視覚の異常:目の前がチカチカする、光が点滅して見える、急に視野がかすむ
- 上腹部痛・心窩部痛:みぞおちや右の肋骨の下あたりに強い差し込むような痛みがある(HELLP症候群の疑い)
- 急激なむくみ・体重増加:1週間に500g以上の急激な体重増加、顔面や手の明らかなむくみ
- 激しい腹痛とお腹の張り:お腹が板のように硬くなり、休んでも痛みが引かない(胎盤早期剥離の危険徴候)
妊娠高血圧症候群の予防と食事管理においては、極端なカロリー制限や過度な減塩は胎盤血流をかえって低下させるリスクがあるため推奨されません。厚生労働省の基準に沿った栄養バランスの良い食事(食塩摂取量1日6.5g未満を目安)を心がけ、高リスク群(高年妊娠、肥満、過去のHDP既往など)と診断された場合は、医師の指導のもとで低用量アスピリン療法などの予防的投薬管理を適切に受けることが推奨されています。