ネット上には「おならやお腹の張りには食物繊維と発酵食品を摂るべき」という言説が氾濫していますが、病態によってはこれが完全な逆効果となるケースが存在します。代表的な盲点が、前述のSIBOや過敏性腸症候群を抱えている場合です。
小腸内で細菌が異常増殖している状態で、ヨーグルトや納豆、キムチ、あるいはゴボウやサツマイモなどの高発酵性糖質(FODMAP:オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオール)を大量に摂取すると、小腸内で爆発的にガスが生成されてしまいます。「腸活のために毎日ヨーグルトとドライフルーツを食べていたのに、かえってガスだまりが悪化して激痛に襲われた」という患者の報告は、臨床現場でも珍しくありません。
また、仕事中の集中力を維持するためにガムを噛み続けたり、炭酸水を頻繁に飲んだりする習慣も盲点です。これらは物理的に大量の空気を胃腸へ流し込み、呑気症を悪化させる直接の引き金となります。「健康に良いはず」という思い込みを一度疑い、自分の腸が何に対して過敏に反応しているかを見極める視点が欠かせません。