活字を超えたメディアミックスの波も押し寄せている。音声コンテンツの普及に伴い、Amazon Audibleでは朗読版の再生数が異例の伸びを記録。俳優の静かな語り口で聴く『うそ』は、紙のページをめくる時とはまったく異なる静寂と波紋を耳元に残す。
一方、NHKオンデマンドでは過去に放送された谷川のドキュメンタリー番組や特番のアーカイブ配信を拡充。現代詩というジャンルが持つ堅苦しいイメージを打ち破り、映像と音声を通じて若年層が彼の哲学に触れる機会が急増している。テクノロジーの進化が、半世紀前の詩作に新たな命を吹き込んでいる格好だ。