高い審美性を誇る一方で、構造上の制約に起因する逆反りホイールの明確なデメリットが存在します。足回りのセッティングを熟知せずに「見た目の反り具合」だけでホイールを選ぶと、装着すらできないという最悪の事態を招きかねません。
現場で最も頻発するトラブルが、ビッグキャリパー干渉です。逆反りホイールは、スポークの外周部からセンターハブへ向けて内側(車体内側方向)へ深く傾斜します。このとき、対向4ポットや6ポットといった大型ブレーキキャリパーの外端と、スポークの裏側が接触してしまうケースが多発します。
これを回避するためにスペーサーを挟むと、今度はホイール全体が外側に押し出され、フェンダーからはみ出してしまうというジレンマに陥ります。美しいコンケーブフェイスを実現するには、キャリパー逃げ(ブレーキクリアランス)を確保した専用ディスク形状(ハイディスク等)を選ぶか、リム幅(J数)を太くして十分な奥行きを稼ぐ緻密な設計が求められます。
さらに重要なのが、綿密なインセット・オフセットの計算です。例えば、純正が「8.0J +45」の車両に、強烈な逆反りを狙って「9.5J +30」を装着する場合、ホイール外端は外側へ約34mmも突出し、内側も約4mm入り込みます。サスペンションストラットとの隙間、ステアリング全切り時のインナーフェンダー干渉、そしてフェンダーアーチとのクリアランスを1mm単位で測定・計算しなければ、まともに走ることすら叶いません。