前田航基のキャリアを語る上で欠かせないのが、日本大学芸術学部映画学科への進学と卒業です。単なる「現場叩き上げ」にとどまらず、映画制作の構造、カメラワーク、脚本の読解、演劇史をアカデミックに学んだ経験が、彼の演技に確かな深みを与えています。
決定的な転機となったのは、2011年に兄弟で主演を務めた是枝裕和監督の映画『奇跡』でした。同作で自然体の演技を引き出された経験が、漫才師から表現者へと意識をシフトさせる決定打になったと、当時のインタビュー手記でも語られています。
その後、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『てっぱん』をはじめ、2026年の『おかえりモネ』では主人公の同級生・水野一馬役を好演。繊細な心情の揺らぎを巧みに表現し、視聴者から絶賛を浴びました。さらに大河ドラマ『おんな城主 直虎』など、NHKの大型ドラマや民放キー局のプライム帯作品にコンスタントに起用され続け、2026年に至るまでそのオファーは途切れることがありません。