「ルールを把握していたつもりなのに、保安検査場で廃棄処分になってしまった」という声はSNS等でも頻繁に散見されます。検査場で検査員に止められ、没収に至るケースには明確な3大要因が存在します。
第一の落とし穴は、国際線における「容器基準」の原則です。国際線の保安検査では「中身がどれだけ残っているか」は一切考慮されません。たとえば、300ml缶の底にわずか数十mlしか残っていなくても、表記されている容器容量が300mlであればその場で即座に没収対象となります。検査員が目視で確認するのは「容器に印字された最大容量」であるため、100ml以下の専用ミニ缶または小分けボトルでなければ通過できません。
第二の要因は、誤噴射防止対策(キャップ)の不備です。航空法規上、スプレー缶を機内持ち込みまたは預け入れ荷物にする際は「噴射弁が誤って押されないよう、キャップまたは適切な保護カバーが装着されていること」が義務付けられています。バッグやスーツケースの中で荷物が圧迫された際にガスが漏れ出す危険を防ぐためであり、フタを紛失した状態のスプレー缶は安全基準を満たしていないと判断される場合があります。
第三の要因は、「化粧品・医薬部外品」以外のスプレーとの混同です。旅行時に持参しがちなスプレーの中には、靴・衣類用の強力防水スプレー、殺虫スプレー、日用消臭剤、塗料スプレーなどがあります。これらは「人体に直接噴霧する製品」ではないため、航空危険物に指定されており、機内持ち込みも預け入れも一切認められていません。「スプレーなら何でも500mlまでOK」と誤認していると、高価な製品であってもその場で放棄を求められます。