有馬記念は「ファン投票によって出走馬が選出される」というお祭り的な性格を持つ一方で、時に大波乱を巻き起こすレースとしても知られています。過去20年においても、単勝万馬券となったダイユウサクの時代ほど極端ではないにせよ、マツリダゴッホが演じた先行押し切り劇や、ゴールドアクター、ブラストワンピースなど、伏兵陣による番狂わせが幾度となくファンを驚愕させてきました。
当時の特番インタビューや騎手・調教師の手記を振り返ると、勝敗の分水嶺は常に「ペース判断とコース取りのシビアな駆け引き」にありました。年の瀬の荒れた中山芝コースにおいて、内を通って距離ロスを極限まで削るのか、荒れた馬場を嫌って外を回すのかという判断が、わずか数センチの着差となって現れます。
メディアやSNSで「絶対視」された断然人気の名馬であっても、過密ローテーションによる見えない疲労や、包まれて動けない展開の罠に屈するケースが散見されます。この「実力と人気の乖離」こそが、有馬記念における高額配当を生み出す最大の温床です。