組織再編の誤解に加え、火に油を注いだのが「Ninja生産終了の噂」でした。カワサキの代名詞ともいえるフラッグシップブランドが消えるという話は、なぜ広まったのでしょうか。
この噂の種明かしは、国内の「令和2年排出ガス規制(ユーロ5相当)」の適用期限に伴う、一時的なラインナップの整理とカタログ落ちです。環境基準の厳格化に伴い、国内4メーカーは従来型エンジンの見直しを迫られました。カワサキにおいても、ロングセラーモデルの一部排気量や特定グレードの生産終了がアナウンスされたことで、SNS上で情報が単純化され、「カワサキのNinjaがすべて終了するらしい」という極端なデマへとすり替わっていきました。
しかし、実際の動向は真逆でした。カワサキはNinja ZX-25RやZX-4Rといった超高回転型並列4気筒モデルを市場に投入して世界中のファンを熱狂させ、さらには世界初となる量産型ストロングハイブリッド二輪「Ninja 7 Hybrid」や完全電動の「Ninja e-1」をリリース。名車「Ninja」の看板を下ろすどころか、次世代モビリティのフロントランナーとしてNinjaブランドを拡張し続けています。
「一部モデルの規制対応に伴う一時的な受注停止や世代交代」が、ネット上の伝言ゲームによって「ブランド終了」「二輪事業撤退」と誇大に歪められた典型的な事例といえます。