松山市の私立高校シーンにおいて大きな転換点となったのが、2016年(平成28年)4月の男女共学化および「聖カタリナ学園高等学校」への校名変更です。1925年の創立以来、カトリック・ドミニコ会の教えに基づく女子教育を実践してきた同校が、なぜ90年以上の歴史を経て共学化に踏み切ったのか。その背景には、複合的な社会的要因と明確な戦略が存在します。
最大の要因は、地方都市共通の課題である少子化の急速な進行です。松山都市圏における中学生人口の減少傾向に対し、女子生徒のみを対象とした募集形態では中長期的な定員維持が難しくなるという構造的課題がありました。教育環境の維持とスケールメリットを担保するため、男子生徒への門戸開放は不可避の選択だったといえます。
さらに、同系列の聖カタリナ大学との高大連携強化や、社会のダイバーシティ(多様性)推進に即した教育環境の構築も掲げられました。男女が切磋琢磨する環境を整えることで、従来の強みであった福祉・医療・スポーツの各領域に男子生徒のエネルギーを注入し、学校全体の活性化を図る狙いが見事に結実した事例です。