「SUGOには魔物が棲んでいる」——レース関係者の間でまことしやかに囁かれるこの言葉は、決して単なる都市伝説ではない。2026年の最新シーズンを迎えた現在も、そのスリルと興奮は増すばかりだ。国内最高峰のGTカーレースであるSUPER GTをはじめとする数々のビッグイベントにおいて、最終盤でトップを走るマシンが突然の失速に見舞われたり、チェッカーフラッグ直前で劇的な逆転劇が演じられたりと、計算不可能なドラマが常に繰り広げられてきた。
この「魔物」を呼び寄せる最大の要因とされるのが、コース終盤に立ちはだかる10%の急勾配、通称「最終コーナー」だ。過酷な登り坂をフルスロットルで駆け上がるマシンたちの競り合いは、スタンドで見守る観客の息を完全にのませる。実況を務めるJ SPORTSの画面越しでもその迫力は十分に伝わるが、現場で爆音とともにマシンが目前へ飛び込んでくる臨場感はまさに別格。日本自動車連盟(JAF)の国際公認コースとしての高い安全性を備えつつも、一瞬の油断も許さないテクニカルなレイアウトが、プロのトップドライバーたちを翻弄し続けている。