テレビ業界において常に議論の的となるのが、「演出」と「やらせ(虚偽・捏造)」の境界線です。放送倫理・番組向上機構(BPO)の指針では、事実と異なる事象を意図的に作り出し、あたかも真実であるかのように見せる行為を「やらせ」と明確に規定しています。
TBSをはじめとする主要キー局では、過去に他番組で発生した不祥事を契機に、バラエティ番組における制作基準が極めて厳格化されました。『マツコの知らない世界』で行われているのは、マニアが持つ膨大な知識を60分の放送尺に収めるための情報の要約やトーク順の再構成という「演出」であり、存在しないエピソードをでっち上げるような「やらせ」ではありません。
過去に一部の特集において視聴者から事実誤認の指摘を受け、BPOへの意見が寄せられたケースはあるものの、番組全体を揺るがすような意図的な捏造や審議入りといった重大な事態には至っていません。視聴者のリテラシーが高まった現代において、制作側も「過度な脚色」を排除し、事実に基づいた構成に細心の注意を払っています。