セゾン解体後の傷跡は、現在の流通再編の現場でも生々しく疼いている。かつてセゾンの総本山であった西武池袋本店の改装やテナント構成の変更をめぐっては、地域住民や文化人を巻き込んだ激しい議論が巻き起こり、一時SNS上で激しい炎上騒動へと発展した。
家電量販店主導の効率的な売り場作りへの転換は、経済合理性の観点からは必然かもしれない。だが、そこにかつてあった「未知のカルチャーと出会う場」が消滅することへの抵抗感は根強かった。清二が池袋の地に注ぎ込んだ文化的な遺伝子は、建物の持ち主が変わろうとも、都市の記憶として人々の心に深く刻み込まれている。