こうした混乱を解き明かす鍵は、すでに過去の知恵の中に用意されている。近代社会の進展に伴う「世界の脱呪術化」を説いたドイツの社会学者マックス・ヴェーバーは、合理化が進んだ社会においてこそ、理屈を超えた衝動としての「カリスマ的支配」が突如として絶大な力を持ち得ると見抜いていた。現代のSNSインフルエンサーやカルト的指導者が放つ異彩は、まさにヴェーバーが警告したカリスマ再出没の現代的アップデートと言えるだろう。
また、宗教学の巨星ミルチャ・エリアーデは、人間は本質的に「ホモ・レリギオーシス(宗教的人間)」であり、世俗化された現代社会においても「聖なるもの」と「俗なるもの」を峻別し、聖性を求めずにはいられないと論じた。宗教社会学および宗教学の知見は、私たちがスマホの画面に無意識に求めている「いいね」や感動の連鎖こそが、形を変えた聖性の探求であることを提示している。