レッドタイフーンズとして頂点を極めた小倉由美でしたが、1988年に相棒である永堀一恵が引退を表明したことで大きな転機を迎えます。タッグ解消後、周囲の予想を完全に裏切る形で決断したのが、宿敵であった「極悪同盟」への電撃加入でした。
それまでの爽やかなイメージを一新し、黒を基調としたダークなペイントとコスチュームで登場した小倉は、ファンに凄まじい衝撃を与えました。ダンプ松本引退後の極悪同盟において、ブル中野との新たなタッグ(後のBISON軍団への布石)を結成し、再びWWWA世界タッグ王座に君臨します。
単なる凶器攻撃に頼るヒールではなく、もともと持っていた卓越したレスリング技術を悪のファイトスタイルに融合させた小倉の佇まいは、対戦相手にとって極めて厄介な脅威となりました。「正統派のエース候補が冷徹なヒールへと変貌を遂げる」というドラマ性は、当時の全女マットに新たな緊張感をもたらしたのです。