山寺といえば、一作品で何役もこなす「七色の声」で知られる。しかし、この卓越した技術がジャムおじさん継承において最大の壁となった。彼はすでに、めいけんチーズやカバお、かまめしどんなど、同作の主要キャラクターを何役も演じていたからだ。
特にチーズとジャムおじさんは、作中で常に隣り合い会話を交わす間柄。一人二役どころか何役も同時に掛け合う現場で、声の出し分けと感情表現を瞬時に切り替える離れ業が求められた。声優業界のプロたちをして「常人には不可能」と言わしめるアフレコ作業。それを平然とやってのける技術の裏には、ミリ単位の喉のコントロールと徹底した役作りが存在する。