中国の法制度において、売春および買春は明確な違法行為として位置づけられています。適用される主な法的根拠は「中華人民共和国治安管理処罰法」第66条です。同条文では、売春・買春を行った者に対し、10日以上15日以下の行政拘留および5,000元以下の過料を科すと規定されています。情状が比較的軽微な場合でも、5日以下の拘留または500元以下の過料が科されます。
個人間の売買春が行政処分にとどまる一方、斡旋や場所の提供、組織的な運営に対しては刑法が適用され、極めて重い実刑判決が下されます。刑法第358条(組織売春罪)では、組織的な売春グループの首謀者に対して5年以上の有期懲役、情状が特に重い場合には無期懲役や財産没収が言い渡されます。
法運用の歴史において大きな転換点となったのが、2019年12月の「収容教育制度」廃止です。それまで中国では、売春・買春の常習者に対して裁判を経ず最長2年間にわたり身柄を拘束して強制労働や思想教育を課す行政処分が存在していました。これが人権保障の観点や法治主義の徹底を理由に廃止され、現行法では行政拘留と刑事罰による明確な二段階制へと一本化されています。罰則体系が整理されたことで、公安による摘発手続きはより迅速化・厳格化されました。