今井が築いた伝説をさらに高い次元へと押し上げたのが、東洋大学の柏原竜二です。2009年の第85回大会、1年生にして5区に抜擢された柏原は、トップと4分半以上あった差をひっくり返し、往路優勝のゴールテープを切りました。その時の、まるで平地を走っているかのような力強いフォームと、前を走る走者を次々と捉える鋭い眼光は、視聴者に強烈なインパクトを与えました。
柏原は4年連続で5区を走り、そのすべてで区間賞を獲得。彼の存在自体が、他校にとっての絶望であり、東洋大の黄金期を築く礎となりました。「山の神といえば柏原」と答えるファンがいまだに多いのも、その圧倒的な支配力とドラマ性ゆえでしょう。彼の走りは、まさに記録と記憶の両方に深く刻まれるものでした。