作中のワンシーンに過ぎなかったセリフが、なぜこれほど広大なインターネットカルチャーを席巻するに至ったのでしょうか。その震源地となったのが、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の「なんJ(なんでも実況J)」やX(旧Twitter)をはじめとするネット掲示板です。
漫画やアニメ、映画のファンコミュニティでは、時に作者の意図を遥かに超えた複雑な伏線考察や、深読みしすぎた裏設定の推測がヒートアップします。そうした「長文で熱弁される過剰な考察」に対し、冷や水を浴びせて議論を強制終了させる最強のリアクションとして、岸辺のセリフとコマ画像が格好の素材となりました。
一切の悪意を感じさせず、事実を淡々と告げるような虚無の表情と簡潔な言葉が、テキスト主体のネットコミュニケーションにおいて「最もレスバを沈静化させやすい切り札」として機能したことが爆発的流行の理由です。