PMCは英語の「Private Military Company(民間軍事会社)」の略称です。近年では警備業務の比重の高まりから、PMSC(Private Military and Security Company:民間軍事警備会社)とも総称されます。国家機関や多国籍企業、国際機関などと法的な契約を結び、軍事・防衛・保安に関する専門サービスを有償で提供する営利企業を指します。 一般に「PMC」と「傭兵(Mercenary)」は同義として扱われがちですが、法体制と組織構造において根本的な断絶が存在します。
歴史的な傭兵が「金銭的報酬のために個人的・非合法的に戦闘へ加わる個人や武装集団」であるのに対し、PMCは登記された株式会社などの法人組織です。ジュネーブ諸条約第一追加議定書第47条において傭兵は厳しく定義・制限されていますが、PMCの多くは後述する国際行動規範(ICoC)やモントルー文書に基づき、合法的枠組みのなかで活動を展開しています。
また、世間がイメージする「前線で銃を乱射する戦闘要員」は、PMCが提供するサービスのごく一部にすぎません。実際の民間軍事会社の実態と業務内容は多岐にわたり、現代戦を維持するためのインフラそのものとなっています。
- 要人警護・重要施設防衛:大使館、石油コンビナート、紛争地を移動する車列やVIPの身辺警護。
- 軍事教育・戦術指導:新興国軍や警察特殊部隊に対する戦闘技術、ドローン運用、対テロ戦術の訓練。
- 後方兵站(ロジスティクス)・基地運営:食料補給、武器・車両のメンテナンス、通信インフラ整備、宿営地の設営。
- 情報収集・リスクコンサルティング:衛星データ解析、現地情勢分析、サイバーセキュリティ対策。