彼岸花に含まれる毒性成分の代表格が「リコリン」だ。植物全体、とりわけ地下に潜む球根(鱗茎)に高濃度で凝縮されている。現代の毒性学の視点からも、リコリンは強い中枢神経麻痺作用や激しい嘔吐作用を引き起こすアルカロイドとして知られている。
人間にとっての致死量はどれくらいなのか。臨床データによると、純粋なリコリンの致死量は成人の場合おおむね10g程度とされる。球根1個に含まれる毒量は即死に至るほどではないにせよ、大量摂取や高齢者・小児の摂取は重篤な事態を招く。食後わずか30分から1時間ほどで激しい胃痛、激しい吐き気、下痢、手足の震えといった中毒症状が突如として身体を襲う。