この国は、1つの単一国家ではない。イングランド、スコットランド、ウェールズ、そして北アイルランドという「4つの国(カントリー)」が同盟を結ぶようにして成立している特殊な連合体だ。中央政府が置かれたロンドンのウェストミンスター議会が全体を統括しつつも、各地域には独自の議会や行政府、教育制度、法体系が存在する。
たとえば、スコットランドでは独自の紙幣が発行されており、イングランドの街中で使おうとすると店員に一瞬疑われる場面すらある。法制度にしても、イングランドがコモン・ロー(慣習法)をベースとするのに対し、スコットランドは民法典の要素を残した独自の法体系を守り続けている。国歌や祝日すら異なる彼らを一つに束ねているのが、まさに「連合王国」という概念なのだ。