近年の台風における最大の特徴は、日本近海に接近してから強度が落ちないどころか、急激に勢力を強める「ブースト現象」だ。2026年もフィリピン沖から沖縄・奄美近海にかけての海水温が平年を大きく上回る29℃〜30℃以上を記録。これが膨大な水蒸気エネルギーを供給し続ける巨大なボイラーの役割を果たしている。
中心気圧が1時間で数ヘクトパスカルも急降下するような場面では、暴風域(風速25メートル以上)の範囲が急拡大する。中心から数百キロ離れた海域でも猛烈なシケとなり、沿岸部では満潮時刻と重なることで高潮リスクが跳ね上がる。勢力の数値だけに囚われず、強風域の広がりと海水温の推移を合わせた全体像の把握が不可欠である。