長期間にわたり服薬を続けていると、「このままずっと薬を飲み続けなければならないのか」「将来、薬をやめられなくなるのではないか」という不安が生じます。
起立性調節障害の処方薬は、自律神経の自己調整機能が回復するまでの補助輪です。一般的には、身体の成長に伴う自律神経の発達や環境調整によって、数ヶ月から1〜2年程度で症状が軽快していくケースが多く見られます。
注意しなければならないのは、自己判断による急な断薬です。「調子が良くなったから」と突然薬を中止すると、急激な血圧低下や自律神経のバランス崩壊による激しいめまい、頭痛、強い倦怠感といったリバウンド(反跳現象)が生じることがあります。これを薬の依存性による「離脱症状」と誤認してしまうケースも少なくありません。
薬をやめる、あるいは減らす際は、以下のステップを医師と相談しながら慎重に進めることが推奨されます。
- 体調安定期の確認:季節の変わり目や新学期などのストレス期を避け、体調が数ヶ月間安定している時期を見極める。
- 投与量の漸減(テーパリング):1日の服用回数や1回あたりの錠数を半分に減らし、2〜4週間かけて身体の反応を観察する。
- 頓服への移行:調子が悪い日や大事な予定がある日の朝だけ飲む「頓服」の形へ切り替える。
- 完全中止:非薬物療法(水分補給や運動)を継続しながら完全断薬を達成する。