なぜ大相撲では下着の着用が頑なに禁じられ、素肌での着用が貫かれているのでしょうか。その理由は、大相撲が単なる格闘技ではなく「神事(しんじ)」としての起源と深い精神性を持っている点にあります。
第一の理由は、「武器を一切隠し持っていないことの証明」です。相撲の起源は古代の神前での奉納相撲や、武士同士の組み合いにあります。命を懸けた真剣勝負において、着衣の中に暗器や刃物を忍ばせていないことを神仏と観客に示すため、身につけるものを極限まで削ぎ落とし、素手と素肌で戦う「徒手空拳」のスタイルが確立されました。
第二の理由は、「神道における清浄と平等の理念」です。土俵は神が降り立つ神聖な結界とされており、人工的な装身具や穢れ(けがれ)を持ち込むことが忌み嫌われます。余計な装飾を捨て去り、生まれたままの肉体一つで神前に立つことこそが、最高水準の礼儀と清浄を保つ作法とされてきました。この思想が時代を超えて継承されているため、現代でもアンダーウェアの着用は認められていません。