「自分たちは本当にセックスレスなのだろうか」と判断に迷った際、国内で最も広く参照されているのが日本性科学会による医学的な定義です。
同会では、セックスレスの定義を「特別な理由がないにもかかわらず、合意された性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合」と定めています。単に「しばらく行為がない」という感覚的な問題ではなく、明確に「1ヶ月」という期間がひとつの客観的基準として示されている点は注目に値します。
ここで見落としてはならないのが、「特別な理由がないにもかかわらず」という条件です。例えば、単身赴任などの長期不在、病気や怪我による療養、妊娠中や出産直後の体調不良といった正当な事情がある期間は、この定義から除外されます。また、「双方が納得して行為のない生活を送っており、互いに精神的な不満を抱いていない」ケースも、学会の判定基準では問題視されません。双方が性交渉を必要としていない関係であれば、それは一つのパートナーシップの形として成立するためです。
問題となるのは、どちらか一方が性的な触れ合いを求めているにもかかわらず、もう一方が理由なく拒否し続けている状態です。片方の欲求や愛情表現が一方的に無視され、1ヶ月以上の空白が生じているのであれば、医学的にも関係改善に向けた対応が求められる初期段階に入っていると判断できます。