かつて組織の心臓部として君臨した事務所は、もはや自由な出入りすら許されない「無人の要塞」と化した。暴力団対策法に基づく事務所使用制限命令の発出以降、組員が立ち入ることすら逮捕リスクに直結する現実に直面している。兵庫県警察は特定抗争指定暴力団の指定を更新し続け、集合や監視行動そのものを封じ込める作戦を展開。捜査幹部は「拠点を物理的に潰し、資金繰りと指揮系統を断つことが最優先だ」と語る。
裏社会の情報筋から漏れ聞こえるリーク情報によれば、すでに組織内では旧本部の完全な処分と、監視の目をかいくぐる新たな「仮拠点」への移転をめぐり、真っ二つの意見対立が起きていたという。不動産の売却や解体を進めようにも、暴排条項の壁が立ちはだかり、手続きは難航を極める。この行き場を失った歪みこそが、現場の組員たちに強烈な閉塞感を与えている。