日本の映画界において、一度世に出た作品が公開停止やパッケージ化見送りに追い込まれたケースは決して本作だけではありません。特撮・怪獣映画の歴史を振り返ると、東宝 封印作品 一覧として語られる著名なタイトルがいくつか存在します。
代表的な例が、本多猪四郎監督による1955年の特撮映画『獣人雪男』です。劇中に登場する山岳地帯の未開集落の描写が部落差別や優生思想的な偏見を招くとして、現在も国内での再上映やソフト化が厳しく制限されています。また、東宝円谷プロダクション制作のテレビ特撮『怪奇大作戦』第24話「狂鬼人間」も、精神障害者に対する描写の観点から欠番扱いとなり、公式な視聴機会が絶たれています。
しかし、他の封印作品と比較しても『ノストラダムスの大予言』の封印体制は群を抜いて厳格です。カルト的人気を誇る他の作品であれば、差別表現に関する免責テロップを冒頭に挿入した上でソフト化されたり、限定イベントで上映されたりするケースもありますが、本作に関しては「タイトルを出すことすら社内タブー」とされるほど徹底的な情報統制が敷かれてきました。