かつて数々の社会現象を生み出してきたフジテレビジョンは、定番ジャンルの枠組みを軽やかに壊し、再構築する試みで勝負に出ている。とりわけ注目を集めるのが、従来の様式美から一歩踏み込んだ医療ドラマの新たなアプローチだ。
完璧な天才医師が奇跡を起こす爽快感だけでなく、現代の医療現場が直面する倫理的ジレンマや制度の限界に切り込むリアリズム。生と死の狭間で揺れる医療従事者の生々しい葛藤を描き出すことで、視聴者の胸を締めつけるほどの共感を呼び起こしている。
同時に、先の読めない展開で惹きつけるサスペンスドラマの進化も見逃せない。第1話から視聴者を巻き込むスピーディーなプロット、緻密に張り巡らされたミスディレクション。SNS上での考察合戦を加速させる構造は、現代のオーディエンスが求めるスリリングな知的興奮を的確に突いている。