本名である梶原睦季としてインディーズシーンに爪痕を残した初期衝動から、現在に至るまでの歩みは決して平坦なものではなかった。既存のシステムに飼い慣らされることを拒み、個人の作家性を研ぎ澄まし続けた孤独な闘いが、ようやく商業ベースのメインストリームを屈服させようとしている。
日本アニメーション産業は今、構造的な過渡期にある。大量生産される記号的なコンテンツが飽和する中で、観客が真に飢えているのは作家個人の魂が宿った「本物」の表現だ。彼が巻き起こす波紋は、硬直化した業界のシステムそのものに対する鮮烈なアンチテーゼとして機能し始めている。