落とし物回収は極めて恩恵が大きい反面、大修道院の隅々を毎節捜索する行為は、プレイヤーの実時間(プレイタイム)を著しく拘束します。読者の進行スタイルや目的によって、向き合うスタンスを切り替えるのが肝要です。
徹底回収が必須となるプレイヤーの条件
高難易度(ルナティック)の攻略中、あるいは他学級の生徒を全員引き抜く「全生徒スカウト」を目指すプレイヤーにとって、落とし物は一切妥協できない必須要件です。ルナティック環境下では戦闘で得られる経験値が激減するため、日曜日の散策による「やる気100キープからの平日高度指導」が戦術の破綻を防ぐ唯一の盾となります。落とし物による好感度上げを怠れば、ステータス要求値の壁に阻まれ、白雲の章終盤までに計画スカウトを完遂することは極めて困難です。
割り切って放置・最小限に留めるべきプレイヤーの条件
一方、物語の劇的なテンポ感を最優先したい1周目の初見プレイヤーや、自学級の基本メンバーのみで愛着を持ってクリアしたいプレイヤーは、マップ上の落とし物を血眼になってコンプリートする必要はありません。散策中に視界に入ったものだけを拾い、自学級のやる気が不足している仲間にだけ該当品を届ける程度で十分です。「落とし物拾い作業」による疲弊でストーリーの没入感を損ねてしまっては本末転倒と言えます。
また、人間関係の心理的視点から分析すると、本作の落とし物返却は「些細な忘れ物から相手の知られざる内面を覗き見、受容する」という濃密なパーソナル・コミュニケーションの構造を持っています。級友たちが隠しているコンプレックスや過去の痛みに寄り添う過程そのものが演出として組み込まれているため、攻略サイト片手に記号的に配る作業と感じた時は、一度アイテム説明文にじっくり目を落としてみることを推奨します。