車の外装(エクステリア)は、単にデザイン性を高めるだけでなく、衝突時の衝撃吸収、空気抵抗の低減、歩行者保護など極めて高度な安全機能を担っています。ここでは代表的な車外装部位の名前と役割を前・側・後方に分けて整理します。
フロントセクション(前回り)
車の顔となるフロント回りには、エンジンの保護や冷却、衝撃緩衝を担う重要パネルが集中しています。
- ボンネット(エンジンフード):エンジンルーム上部を覆う開閉式パネル。遮音・遮熱効果を持ち、近年は歩行者衝突時に持ち上がって衝撃を和らげる「ポップアップフード機構」を採用する車種も増えています。
- フロントバンパー:前面下部に位置し、軽微な衝突からボディ本体を守る衝撃吸収パーツ。近年は意匠性と歩行者保護を兼ね備えた樹脂製が主流で、ミリ波レーダーやソナーが内蔵される中枢部となっています。
- フロントグリル:ラジエーターへ走行風を送り込んで冷却するための開口部。EV(電気自動車)では開口部を塞いだ「グリルレスデザイン」が広がる一方、ブランドの象徴(アイコン)としての役割も持ちます。
- フロントフェンダー:前輪のタイヤハウスを覆う左右の側面板。飛び石や泥跳ねからボディを守り、空力特性を整える形状に設計されています。
サイド・キャビンセクション(側面・柱)
車体の強度と乗員保護空間(キャビン)を保つための骨格パーツです。
- ピラー(A・B・C・Dピラー):屋根(ルーフ)を支える柱の総称。フロントガラス横を「Aピラー」、前席と後席の間を「Bピラー」、後席窓の後ろを「Cピラー」と呼び、ミニバンなどでは最後尾の柱を「Dピラー」と呼びます。横転時の乗員保護に直結する強固な超高張力鋼板が使われます。
- サイドシル(サイドステップ):ドアの下部に位置する敷居のようなフレーム部。車体のねじれ剛性を保つ重要骨格であり、縁石などで最も擦りやすい部位の一つです。
- ドアパネル(フロントドア・リアドア):乗降用のドア外板。内部には側面衝突から守るサイドインパクトビームが組み込まれています。
リアセクション(後ろ回り)
- リアバンパー:後方からの衝撃を和らげるパーツ。バックカメラや後側方警戒レーダー(BSM)が埋め込まれています。
- ディフューザー:リアバンパー下部に設置される整流板。車体下を通過する気流をスムーズに排出し、走行安定性を高める効果があります。
- トランクリッド(テールゲート/バックドア):荷室の開閉扉。ハッチバックやSUVではリアガラスと一体化した跳ね上げ式構造が一般的です。