日本政府が成人年齢の引き下げに踏み切った背景には、国内外の社会的要請に基づいた明確な3つの理由が存在します。「なぜ18歳なのか」という根幹の論理を紐解きます。
第1の理由は、国際的な標準(グローバルスタンダード)への合致です。OECD(経済協力開発機構)加盟国の多くを含む世界150カ国以上で、成年の基準は18歳と定められています。国連の子どもの権利条約においても「18歳未満を児童」と定義しており、日本が20歳成人を維持し続けることは、国際基準から見ても孤立した状態となっていました。
第2の理由は、少子高齢化が急速に進む日本における若者の社会参画の推進です。人口構造が大きく歪むなか、若年層をいつまでも「保護されるべき対象」として留め置くのではなく、早い段階から社会を担う自立した主体として位置づけ、経済・社会を活性化させたいという国家的な狙いがありました。
第3の理由は、法制度全体の整合性の確保です。2007年の国民投票法制定時に投票権年齢が18歳以上とされ、2015年には公職選挙法改正によって「18歳選挙権」が導入されました。国政の命運を左右する選挙権を18歳に付与しながら、私法上の権利義務を負う民法上の成年を20歳のままにしておくことは法解釈上の不整合を生むため、民法改正へと直結していきました。