時計の針を少し巻き戻してみよう。彼女の「顔面崩壊」の原点といえば、やはり2017年公開の映画『銀魂』での神楽役だ。当時、アイドルからの脱皮を図っていた彼女が、スクリーンの中で白目を剥き、豪快に鼻をほじる姿は、日本中のファンに文字通りの大打撃を与えた。「そこまでやっていいのか」と誰もが息を呑んだ瞬間である。しかし、この狂気とも言える体当たりの演技こそが、彼女の女優としての運命を大きく変えるトリガーとなった。
続く『今日から俺は!!』での早川京子役でも、その芸風はさらに研ぎ澄まされた。ヤンキーとしての凄みと、愛する人の前でのぶりっ子、そしてそのギャップを表現するための強烈な変顔。この三段活用を完璧にこなす彼女の姿に、視聴者は爆笑し、そして魅了されたのだ。彼女にとって変顔は、単なるウケ狙いのツールではなく、キャラクターに命を吹き込むための最も鋭利な武器なのである。