血圧が急に上がった際、手や足のツボを押すことでなぜ数値に変化が現れるのか。その決定的な理由は、自律神経系への直接的な反射作用と末梢血管の拡張メカニズムにあります。
精神的な緊張や寒暖差、過労に晒されると、交感神経が過剰に興奮してアドレナリンなどの昇圧ホルモンが分泌され、血管が強く収縮します。特定のツボ(経穴)に心地よい圧刺激を加えると、感覚神経を通じて脳幹や視床下部にシグナルが伝達され、副交感神経の働きが一気に活性化します。
副交感神経が優位に立つと、心拍数が落ち着くだけでなく、血管内皮細胞からの一酸化窒素(NO)放出が促されて末梢血管がしなやかに弛緩します。その結果、血流抵抗が速やかに低下し、血圧を下げるツボの即効性を実感しやすい体内環境が整います。東洋医学が数千年にわたり体系化してきた知恵は、現代の神経生理学の観点からもその合理性が裏付けられています。