とんかつを切った断面がほんのりサクラ色に輝く。その完璧なピンク色の発色は、計算し尽くされた揚げの技術の賜物だ。極めて低い温度の油でじっくりと時間をかけて熱を通し、最後に高温の油で一気に表面をサクッと仕上げる。余熱で肉の芯までじんわりと熱を届けることで、水分を一切逃さずに閉じ込めるのだ。
パン粉選びにも一切の妥協はない。糖度や水分量を細かく指定した特注のパン粉は、油切れが良く、驚くほど軽い食感を生み出す。衣が肉の旨味を邪魔することなく、むしろ極上の脂蒸しのような効果を果たしている。重たさを全く感じさせない仕上がりは、老若男女を問わず最後まで美味しく食べ切れる最大の理由と言える。