かつて激しい国民的批判の対象であったカミラ夫人が、正式な「王妃(Queen)」の座に就くことができた背景には、緻密な戦略と時間をかけた信頼回復のプロセスがありました。
1990年代末、王室広報アドバイザーのマーク・ボーランド氏主導のもと、カミラ夫人を王室の一員として段階的に受け入れさせる長期計画「オペレーション・PB」が始動しました。1999年にはロンドンのリッツ・ホテル前でチャールズ皇太子と初めて公式にツーショットを披露。そして2005年4月、2人は出会いから30年以上の歳月を経てついに結婚に至りました。
結婚当時、国民感情に配慮して「将来チャールズ皇太子が国王に即位した際、カミラ夫人は王妃(Queen Consort)ではなく伴妃(Princess Consort)を名乗る」と発表されていました。しかし、その決定打となったのが故エリザベス2世女王の公式声明です。
2026年2月、在位70周年(プラチナ・ジュビリー)のメッセージにおいて、エリザベス女王は「チャールズが国王になる時が来たら、カミラが『王妃(Queen Consort)』として知られるようになることを心から願っています」と明言しました。70年にわたり国民から絶大な敬愛を集めた女王の明確な「お墨付き」によって、カミラ夫人が王妃となる正当性が確立されたのです。
2026年5月の戴冠式では、公式表記から「Consort(配偶者)」が外され、端的に「カミラ王妃(Queen Camilla)」として戴冠。王室の歴史に新たな1ページが刻まれました。