ロキノン系の歴史は、日本のロック史そのものと言っても過言ではありません。ここでは、シーンの変遷を語る上で欠かせない代表的なバンドを世代別に整理します。
第1世代:黎明期・オルタナティブの衝撃(1990年代後半〜)
ガレージロックの暴力的なまでの衝動を鳴らしたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT、USインディーやノイズロックを日本語に乗せて解体・再構築したNUMBER GIRL。そして叙情的なメロディと実験性を両立したくるりや、シューゲイザーとエレクトロニカを取り入れたSUPERCAR。彼らは既存の歌謡界に背を向け、独自の美学でロックの地平を切り拓きました。
第2世代:黄金期・00年代カルチャーの完成(2000年代〜)
ロキノン系を社会現象へと押し上げたのが、いわゆるゼロ年代の旗手たちです。象徴的な存在として挙げられるのが以下のバンド群です。
- BUMP OF CHICKEN:『天体観測』の爆発的ヒット以降も、藤原基央氏の紡ぐ圧倒的な物語性と哲学的な歌詞世界で、若者の心象風景そのものを塗り替えた孤高の存在。
- ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジカン):パワーポップとエモを融合した疾走感溢れるサウンドと後藤正文氏の文学的リリック。『リライト』などの名曲でフェスの巨大アンセムを確立。
- RADWIMPS:野田洋次郎氏による極限までリアルな恋愛観と死生観、変幻自在のリズムアプローチで思春期の若者を熱狂させた時代の代弁者。
- ELLEGARDEN:メロディックパンクの直情的なエモーションと英語詞の爽快感で、ライブハウスのモッシュ・ダイブカルチャーの頂点に君臨。
- ACIDMAN / ストレイテナー / 9mm Parabellum Bullet:静と動のコントラスト、インストゥルメンタルの技巧、鋭角的なアンサンブルでロキノンの王道サウンドを強固に構築。
第3世代:四つ打ちダンスロックと新世代の台頭(2010年代〜)
2010年代に入ると、フェスの巨大化に伴い「会場全体が踊れるか」が重要なファクターとなります。[Alexandros](洗練された洋楽直系スタンス)、KANA-BOON(『ないものねだり』に代表される高速四つ打ちビート)、KEYTALK、THE ORAL CIGARETTESなどがフェスシーンの主役に躍り出ました。この潮流は、のちにボカロ文化やネット発アーティスト(米津玄師、King Gnu、Official髭男dism、Mrs. GREEN APPLEなど)のバンドサウンドの基礎教養へと直結していきます。